お宮参りの紐銭はどうやって準備をすれば良いのでしょうか。
今回は、紐銭に必要なご祝儀袋はどこで売ってるのか、どうやって作るのか、両親や祖父母が入れるお金の金額相場などを解説していきます。
お宮参りの紐銭(ひもせん)とは?
「紐銭」とは、お宮参りの時に親戚や友人から送られるお祝い金の一つです。
帯銭(おびせん)、紐扇(ひもせん)と呼ばれることもあり、主に関西、名古屋などの近畿地方で習慣とされています。
「生まれてきた子どもが一生お金に困らないように」とご祝儀袋を祝着に結び、赤ちゃんの明るい将来を願う風習の一つです。
紐銭の由来
商人の町大阪では、産後のあいさつ回りをする習慣がありました。
その際に、麻ひもに硬貨を通して祝い着に結びつけていたことが紐銭の始まりと言われています。
昔は硬貨そのものを結び付けていましたが、現在はご祝儀袋でもらい、ご祝儀袋のまま結びつけます。
紐銭をたくさん結びつけるほどよいという風習もありますが、今では落としてしまうことのないよう、一つだけ結ぶことも多くなりました。
紐銭の用意方法
用意するのはご祝儀袋と、結びつけるための水引や紐のみです。
紐銭の準備は難しくないので確認してみましょう。
ご祝儀袋の選び方
紐銭用のご祝儀袋は、紅白か金銀の水引がついたご祝儀袋を選びます。
のし付きで、水引は蝶結びのものが良いでしょう。
蝶結びは「結びなおせる」ので、何度でも繰り返して良い慶事に用いられます。
反対に、結び切りは弔事(法事など、繰り返してほしくない事柄)に用いるものですので、こちらを選ばないように注意が必要です。
紐銭の書き方
紐銭には、以下のような情報を書きます。
表書き 【水引の上】 | 「御紐銭」 「御祝」 「ひも銭」 「おひもせん」など |
---|---|
表書き 【水引の下】 | 贈る人の氏名 |
内袋 【表】 | 中央に金額 (金参阡円・金伍阡円など) |
内袋 【裏】 | 左下に贈る人の氏名と住所 |
準備ができたらあとは結ぶだけです。
紐銭の結び方
紐銭はお宮参り当日に結びつけます。
ご祝儀袋に穴あけパンチなどで穴を開け(中央上部または左上)、穴に水引を通しましょう。
水引はご祝儀袋のもの(紅白または金銀)を使うか、別で用意します。
紅白の紐や麻ひもで代用してもOK。
お祝い着の紐部分に結び付けたら完成です。
最近では、落とすリスクを考えて、中身をポチ袋などに入れ替えておくこともあります。
紐銭は特定の地域限定?
紐銭は、日本の中でも決まった地域の習慣です。
夫婦や両家の間で認知の差があるかもしれません。
迷った時には地域の産土神(うぶすながみ)や氏神(うじがみ)の社務所に相談してもよいでしょう。
紐銭は関西が主流
紐銭は、名古屋の熱田神宮が発祥の地とされています。
大阪、兵庫、愛知県の名古屋市などで有名な風習です。
主に関西で主流の風習のため、関東にはあまりなじみがないでしょう。
産土神・氏神とは?
産土神とは、本人が生まれた土地の守護神です。
生まれる前から死後にわたるまで守ってくれると言われています。
一方、氏神は住んでいる土地の神様です。
住む人の日常生活を守ってくれる神様と言われています。
地域による違い
愛知県名古屋市一部の地域では、5円玉12枚(生後12カ月間お金に困らないように)を結びつけるとされています。
うるう年は13枚を結びます。
他にも、祖父母から紐銭を贈るときは長い水引を用いて長寿を願うなどの習慣がある場合も。
地域や、家庭によっても風習が異なる場合があるので、身内や地域の年配の方に確認しておくのがおすすめです。
紐銭は誰が渡すもの?
紐銭はお宮参りで使うもの。
基本的には、お宮参りに参加する身内の方が渡すことになります。
主に赤ちゃんの両親や、両家の祖父母が渡すとされています。
しかし、お宮参りに参加お祝いの気持ちを込めて兄弟や友人・知人の方が送ってはいけないという決まりはありません。
紐銭の相場はいくら?
紐銭は、出産祝いよりも少額であることがほとんどです。
「おひねり」や「お小遣い」といった認識で贈ることも多いようですよ。
また、慶事のお祝い金は奇数の金額がよいとされているため、10,000円、5,000円、3,000円の中から、立場によって選ぶことをおすすめします。
両親から贈る場合
両親から赤ちゃんへ紐銭を渡す場合には、3,000円~5,000円を目安にすると良いでしょう。
赤ちゃんへの初めてのお小遣いとして渡してあげて下さい。
また、4・6・9がつく金額は死・無・苦を連想させてしまいます。
ご祝儀には使わないことがマナーなので覚えておきましょう。
祖父母から贈る場合
紐銭は、祖父母から赤ちゃんへ贈るパターンが最も多いでしょう。
しかし、両家の関係などから金額に関して悩むことも多いかと思います。
その場合はお宮参り全体の負担額や、両家間の金額のバランスを考えて決めるとお互いに気持ちよくお祝いできるはずです。
金額の相場は?
祖父母から赤ちゃんへ渡す紐銭は、5,000円~1万円が相場となります。
ただし、お宮参りの初穂料や会食費などを祖父母が負担する場合には紐銭を用意しなくても問題ありません。
パパやママは、母方・父方の祖父母の間で負担が偏らないように注意しましょう。
可能であれば、事前に両家で話し合っておくのがおすすめです。
お宮参りの費用は誰が負担する?
昔は、お宮参りの着物は母方の両親、初穂料は父方の両親が負担することが一般的でした。
しかし、現代では、バランスが重視されることも多くなっています。
紐銭の同様、金額に偏りがないように調整しておくと良いでしょう。
兄弟から贈る場合
お宮参りに参加しないことの多い兄弟からは、基本的に紐銭を渡す必要はありません。
気持ちとして贈る場合の相場は3,000円または5,000円。
紐銭は用意せず、お金以外のプレゼントを贈るのもおすすめです。
友人から贈る場合
友人もお宮参りには参加しないため、ご祝儀は不要とされています。
気持ちとして包むのであれば3,000円程度がよいでしょう。
紐銭の代わりに贈り物でもOK。
近年は、紐銭としてではなく、出産祝いとしてカタログギフトなどを贈るのも人気のようです。
紐銭のお返しは必要?
金銭を受け取った場合、気になるのはお返しが必要なのかということですよね。
お返しは不要
紐銭は、赤ちゃんへの気持ち・お小遣いとして贈るもの。
基本的にお返しは不要です。
お返しをしたい場合には、頂いた金額の1/3ほどの予算でちょっとした贈り物やお菓子などを用意するとよいでしょう。
のしをかける場合は「内祝い」とします。
祖父母に対してはお宮参りの写真を贈る、改めて食事に誘うなどでもOKです。
お返しにも使えるプチギフト
お返しの金額に悩む場合には、お金よりも贈り物の方が渡しやすい場合も。
お返しにも使えて、人気の贈り物には
- カタログギフト
- 赤ちゃんの名前入りグッズ
- お菓子のセット
などがあります。
赤ちゃんの名前や写真が入っていると、さらに喜んでもらえるのではないでしょうか。
ネット通販を使えば、写真入りのアイテムも簡単に注文することが可能です。
お返しをしたい相手との関係や、いただいた紐銭の金額によってお返しを検討してみましょう。
紐銭の「のし袋」はどこに売っている?
実際に紐銭を用意する時に、ご祝儀袋が購入できる店舗を紹介します。
西松屋
西松屋のオンライン通販では、ご祝儀袋やポチ袋の扱いが確認できませんでした。
ただし、実際の店舗によっては扱いがある可能性もあります。
まずは近くの店舗に電話で問い合わせると確実です。
アカチャンホンポ
アカチャンホンポの店舗では、ひも銭のご祝儀袋が販売されています。
価格は税込み220円でした。
アカチャンホンポで買ったひも銭袋
アカチャンホンポのオンライン通販には、現時点でひも銭のご祝儀袋は取り扱いがありません。
また、実店舗で購入したい場合には、在庫がない場合もありますので電話で問い合わせてから来店するとよいでしょう。
ベビーザらス
ベビーザらスのオンラインストアでは、「ご祝儀袋アニマル」という商品を扱っています。
しかし、水引が紅白や金銀ではなく、表書きは「お祝い」となります。
他のベビー用品店と同様、実店舗で購入する際は事前に取り扱いを確認してからの来店がおすすめです。
ダイソー・セリア・キャンドゥ(100均)
100円ショップのアイテムを使って、簡単に紐銭用のご祝儀袋を作ることができます。
水引のついたのし袋を2枚購入し、一枚には穴を開け、もう一枚の水引を一度ほどいてお祝い着に結びつけるという方法です。
筆ペンや穴あけ用のパンチを一緒に購入するのもおすすめ。
筆ペンを購入する際は、薄墨でなく濃墨のものを選びましょう。
薄墨は香典を書くときなどに用いるので注意が必要です。
Amazon・Yahoo!ショッピング
お宮参りまでは、新生児の赤ちゃんのお世話で何かと忙しい時期。
すぐに欲しい、買いに行く時間がないという場合にはネットで注文してしまうのが便利です。
表書きが書かれた紐銭用のご祝儀袋も、ネット通販なら簡単に手に入ります。
また、キャンペーンを利用するのもおすすめです。
ポイント還元を受けられる、クーポンの利用ができるなどのメリットがありますよ。
紐銭の保管方法・処分方法は?
ご祝儀袋は、使用後に処分しても、そのまま保管してもOK。
リメイクをするというアイディアもあるようです。
それぞれ詳しく見てみましょう。
紐銭を保管する場合
思い出深い品でもある紐銭。
保管しておこうと思う方も多いですよね。
多くの方が次に挙げる2つの方法で保管しています。
思い出の品物として保管しておく
お宮参りに用いた道具と一緒に保管しておく方法です。
その際、防虫剤や湿気取りを併せて入れておきましょう。日
焼けしないような場所や入れ物を選ぶことも大切です。
写真に残す
紐銭が活躍するのはお宮参りの日です。
赤ちゃんの輝かしい姿とともに紐銭も写真に納めておくという方法もあります。
写真であれば、撮影後はアルバムやデータの中に保存できます。
データにしておくのであれば劣化もしませんし場所も取りません。
写真に撮ったあとの紐銭は、次に紹介する方法で処分してもよいでしょう。
紐銭を処分する場合
縁起物とはいえ、紐銭はお宮参り以外では使うことのないもの。
正しい方法で処分したいと思う方もいるのではないでしょうか。
紐銭の処分方法を2つお伝えします。
白い紙に包んで処分する
縁起物や、魂がこもったとされるものを処分するときの方法です。
白い紙や布に包んで、ごみ袋の中に一番上になるように入れて処分します。
こうすることで、処分するときの気持ちを軽くすることもできますね。
お焚き上げ
縁起物である紐銭は、お焚き上げしてもらうと安心です。
お宮参りの参拝後、すぐに奉納できる場合も。
同じくお宮参りに用意するアイテム「犬張り子」は、3歳までは赤ちゃんの身代わりになってくれると言われ、3歳の七五三の際に神社へ奉納します。
紐銭も同じタイミングでもよいそうです。
また、お正月のお焚き上げを利用してもよいでしょう。
ご祝儀袋のリメイクアイディア
「処分するのは心もとないし、かといってもう使わないし…」という時にはリメイクがおすすめ!
実用的なアイテムに作り変えることもできます。
- 水引を箸置きに(食品衛生適合ニスを塗る)
- 水引をリースにする
- ブックカバーにリメイクする
- ポチ袋にリメイクする
- 箸袋にリメイクする
など。
ポイントは水引を上手く活用することです。
形を変えて実用することでエコにも繋がりますし、自然と大切に使おうという気持ちにさせてくれますよ。
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