子どもに薬を飲ませる際には、その薬の効果と副作用を正しく理解していることが重要です。
本記事では、子どもに薬を飲ませるコツをご紹介します。
子どもが薬を嫌がらずに飲んでくれる方法や飲み合わせの悪い飲み物などを詳しく解説していきます。
子どもに薬を飲ませるコツまとめ【シロップ】

シロップは、子供向けに甘い香りや味のついた液体状の薬です。
赤ちゃんや幼児など、低年齢のお子さまは粉や錠剤がうまく飲めないことが多いため、薬をシロップでもらうことがほとんどでしょう。
基本的には子どもでも飲みやすい味となっていますが、独特な匂いや味が嫌で飲んでくれない場合もありますよね。
そんなときに試して欲しい「シロップを子どもに飲ませるコツ7つ」を以下にまとめました。
- 飲み物に混ぜる
- ウエハースやビスケットに染み込ませる
- スポイトを使う
- 哺乳瓶の乳首を使う
- タイミングを変える
- 大げさにふるまわない
- アイデアのストックをためておく
7つのコツをそれぞれ詳しくお伝えします。
飲み物にまぜる
シロップを飲み物に混ぜて飲ませる方法です。
お茶やジュースなどに混ぜます。
ただし、
・炭酸飲料
・スポーツドリンク
・果汁の多いジュース
などは、お薬の吸収や効果に影響を与えてしまうので混ぜないでください。
作りおきはやめましょう。
時間が経つと苦みが増すことがあるからです。
飲ませる直前に、飲み切れる程度の飲み物にシロップを混ぜます。
シロップを混ぜた飲み物を嫌いになってしまうこともあるので、ミルクなどいつも飲むものに混ぜるのは避けてください。
パンやウエハースに染み込ませる
パンやウエハースなど、水を吸いやすいお菓子に染み込ませて与える方法もあります。
ただし、普段の食事でパンをよく食べる場合には、嫌いになってしまう可能性があるので注意が必要です。
食べられる場合には、チョコ味など味の濃いものを選ぶと苦みをカバーしてくれます。
スポイトを使う
シロップをスポイトで吸って、ほほの内側に向かって流す方法です。
スポイトは薬局でもらえることもありますが、専用の商品も販売されています。
薬局またはドラッグストアで購入できますよ。
舌に向かって流してしまうと苦みを感じやすいので注意しましょう。
せきこまないよう、ゆっくりと口内に流してくださいね。
哺乳瓶の乳首を使う
哺乳瓶の乳首を使う方法もあります。
子どもに上を向いてもらい乳首をくわえさせ、上から一回分のシロップを流してください。
乳首の穴が小さいと、飲み切るまでに時間がかかってしまうため、様子を見て乳首の穴を大きくするとよいでしょう。
タイミングを変える
薬を飲ませるときに子どもが嫌がったら、飲むタイミングを変えて仕切り直してみましょう。
お腹がいっぱいだと飲まないこともあります。
なかなか飲んでくれないとパパやママも焦ってしまいますよね。
そんなときも、お互いに気分を変えてみてください。
大げさにふるまわない
親の様子がいつもと違うと子どもが警戒します。
パパやママは「薬を飲ませなければ」と焦ったり、イライラしたりすることもあるかと思いますが、できるだけいつもと同じ調子で飲ませてみてください。
大げさにふるまわないことで、子どもが過度に警戒するのを防ぎます。
アイデアのストックをためておく
赤ちゃんや小さい子供に薬を飲ませるのは大変なことです。
パパやママもストレスを感じることが多いでしょう。
そんなとき、薬を飲ませるアイデアをストックしておけば、気持ちに余裕が出るはずです。
スマホのメモ帳などにアイデアをためておき、「これがダメならこれ」と試していくとよいでしょう。
- ちいさなお子さまへの おくすりの上手な 飲ませ方・使い方(JA北海道生連)
- お子様の健康:粉薬の飲ませ方 (旭化成ファーマ)
- 薬の上手な使い方・飲ませ方(公益財団法人 母子衛生研究会)
- くすりの飲ませ方(すずらん調剤薬局)
子どもに薬を飲ませるコツまとめ【粉末・顆粒】

「シロップは飲んでくれたのに、粉末や顆粒になると飲んでくれない」と悩むパパ・ママも多いですよね。
ここでは、粉末や顆粒のお薬を飲む機会が増えてくる「幼児~小学生」を想定して記述していきます。
粉末・顆粒のお薬を飲ませるコツは次の9つです。
- 少量の水を加える
- 水に溶かして凍らせる
- 服薬ゼリーを使う
- 好きな食べ物にふりかける
- 味の濃い飲み物に混ぜる
- ヨーグルトやアイスに混ぜる
- 砂糖や砕いたクッキーと混ぜる
- ジャムに混ぜてパンに塗る
- 子どものモチベーションを上げる
- 薬剤師に相談する
それぞれ詳しくお伝えします。
少量の水を加える
粉末の薬に少量の水を加えてペースト状またはお団子にする方法です。
ペーストやお団子を清潔な指に付けて上あごにこすりつけ、その後ぬるま湯や子どもが好きなジュースで流します。
舌に薬が付くと苦みを感じてしまうので注意しましょう。
乳幼児にも使える方法ですが、赤ちゃんの場合にはミルクの使用は避ける必要があります。
なぜならば、ミルクを嫌いになってしまう恐れがあるからです。
水に溶かして凍らせる
薬を一旦水に溶かしたあとで凍らせる方法です。
水やジュースなどに一回分の粉薬を溶かして凍らせ、デザート感覚で与えてみましょう。
ただし、ジュースなど水以外の飲み物に溶かすときは注意が必要です。
成分によっては薬が変質したり、味が変わったりする恐れがあります。
また、抗生剤はオレンジ・リンゴジュース、スポーツドリンクなどと混ざると表面のコーティングがはがれてかえって苦みが出てしまう可能性があるため注意しましょう。
服薬ゼリーを使う
市販の服薬ゼリーを使うのもいいでしょう。
こういった商品はおくすり専用品なので、薬の作用に影響しない成分で作られていますし、苦みを感じにくくなるように作られています。
たとえば、龍角散の「おくすり飲めたね」では、抗生物質などの苦い薬用にチョコ味のゼリーが販売されています。

ゼリーに包むことでのどごしも良くなり、錠剤タイプの薬も飲みこみやすいです。
オブラートに包む
小学生以降であればオブラートも視野に入ってくるでしょう。
子ども用のオブラートも販売されており、服薬ゼリーが苦手な子の場合、活用を検討してみてください。

こちらも専用品のため、飲み合わせの心配なく使えます。
イチゴやブドウなどの味が付いており、子どもでも飲みやすく作られています。
好きな食べ物にふりかける
子どもが普段よく食べるものに粉薬をふりかける方法もあります。
ただし、主食など食べなくなったら困るものは避けましょう。
おすすめはバナナです。
水分も多くないですし、甘みが強いため子どもも食べやすいです。
一回で食べきれる量だけ用意してくださいね。
味の濃い飲み物に混ぜる
濃い味の飲み物や液体に混ぜることでも薬の味をごまかせます。
例えば、実際に「これは良かった!」と好評だったものは以下の通りです。
- ヤクルト
- ココアやミロ
- 練乳
- チョコレートショップ
飲み物に混ぜたときはストローで飲むのもおすすめ。
勢いよく飲め、舌先で味を感じにくくなります。
ヨーグルトやアイスに混ぜる
錠剤にも効果的な方法です。
とろみのある食材に混ぜて薬を飲みやすくします。
チョコ味のアイスだと、苦みが強い薬の味もごまかしてくれるのでおすすめです。
ただし、弾力のあるゼリーは避けましょう。
また、炭酸飲料やスポーツドリンク、果汁の多いジュースなどは、お薬の吸収や効果に影響を与えてしまうので、混ぜないようにしてください。
砂糖や砕いたクッキーと混ぜる
甘い粉薬なら飲める子どもであれば、砂糖や砕いたクッキーを混ぜるだけでも飲んでくれるかもしれません。
ジャムに混ぜてパンに塗る
ジャムは香りや味が強いため、苦い薬も飲みやすくなります。
そのままなめてもOK。
パンに塗る場合には食べきれる量だけ用意しましょう。
抗生剤の場合は、パンに塗るチョコペーストを使うのもおすすめです。
子どものモチベーションを上げる
「粉薬はどうせ飲めない」と諦めてしまうのではなく、普段から薬を飲む大切さを伝えることも大切です。
「お薬がバイ菌さよならしてくれるよ」
「飲んだら病気をやっつけられるよ」
などの言葉をかけるのもいいでしょう。
飲めたときは、ぜひたくさん褒めてあげてくださいね。
薬剤師に相談する
子どもが薬を嫌がって親子ともに大変な思いをするようなら、薬剤師の方に相談してみるのもおすすめです。
薬剤師の方から医師に相談の上、薬のタイプを変更できる場合があります。
- ちいさなお子さまへの おくすりの上手な 飲ませ方・使い方(JA北海道生連)
- 小さい子どもにお薬を上手に飲ませるコツ(日本調剤)
- 子供に薬を飲んでもらうには(ミヂカナ薬局)
どうしても薬を飲まないときはどうする?

薬をなかなか飲んでくれないときもありますよね。
いろいろと対策したにも関わらず、子どもがどうしても薬を飲まないときの対処法は次の3つです。
- 無理やり飲ませない
- 薬剤師に相談する
- 薬を持参してかかりつけ医を受診
基本的には親子で対峙せず、専門の方に相談しましょう。
3つの方法をそれぞれ説明します。
無理やり飲ませない
子どもがどうしても薬を飲まないときでも、無理やり飲ませるのは避けましょう。
薬=嫌なものとして定着してしまうと、どんどん飲まなくなってしまいます。
言葉がわかる年齢であれば、落ち着いているときに薬の必要性を伝えてあげましょう。
ただし、抗生剤など早めの対処が必要な場合もあります。
不安なときは薬剤師や医療機関に必ず相談しましょう。
薬剤師に相談する
どうしても薬を飲まないとき、薬剤師の方に相談すると粉薬→シロップなど、似た効果が期待できるほかの薬に変えてもらえることがあります。
病院に相談するのももちろんOKです。
病院が遠い・診療時間外などの場合にはまず薬を処方された薬局に問い合わせてみるのもいいでしょう。
薬を持参してかかりつけ医を受診
診察を受けた病院に、薬を持って受診することで、看護師の方から服薬介助をしてもらえる場合もあります。
「薬を飲ませるのが難しい」と感じたときや、子どもが薬を飲まないことでイライラしてしまうようなら病院に相談してみるのも一つの方法です。
- 飲めない錠剤や粉薬を子どもに飲んでもらう方法 (株式会社なかいまち薬局)
- 子どものお薬 飲ませ方(小泉重田小児科)
- 乳幼児への薬の飲ませ方(千葉県薬剤師会)
薬を飲んだ後に吐いてしまったらどうする?

飲んだ薬を子どもが吐いてしまった経験があるパパやママも多いのではないでしょうか。
再度飲ませていいのか、それとも飲ませない方がいいのか迷いますよね。
薬を飲んでから30分が目安
千葉県薬剤師会の中村達也氏によると、一般的に飲み薬は30分かけて腸に到達し吸収されます。
吐いたのが薬を飲んでから30分経ったかどうかが一つの目安になります。
また、吐いた量が少なければあまり気にする必要はないとのこと。
明らかに薬を吐いてしまった場合も再度飲ませます。
判断に困る場合には、薬剤師や薬を処方された医療機関に問い合わせてみましょう。
子どもは吐きやすい?
子どもの胃は小さく、消化管の機能も十分ではないため、咳などの刺激で吐くことはよくあります。
また、風邪や胃腸炎のときも吐きやすくなります。
子どもが吐くのは珍しいことではないので、薬を吐いてしまったときの対応を事前に薬局で聞いておくのもいいですね。
子育て中のママに読んで欲しい記事一覧
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