母子手帳リレートーク

周りのサポートをつくる母子手帳

プルスアルハ・看護師 細尾 ちあき

精神科診療所、さいたま市こころのセンター等の経験を生かし、2012年4月、精神科医師とプルスアルハを設立。親の精神疾患について、子どもにわかりやすく説明するためのオリジナル絵本を作っています。お話と絵を担当。大人のさまざまな事情を、子どもは、自分のせいだと感じることがあります。そんな子どもたちに「あなたのせいではないよ」というメッセージを届けていくことが大切だと考え、活動しています。2012年12月には、ゆまに書房より「家族のこころの病気を子どもに伝える絵本① ボクのせいかも…ーお母さんがうつ病になったのー」を出版。

プルスアルハ http://pulusualuha.p2.bindsite.jp/

 

(1)現場から見えてくる子どもの現状と課題

 今回のコラムでは、誰でもが知って欲しい「産後うつ病」を紹介します。

周囲から祝福されて、幸せいっぱいなはずなのに…なぜかうれしく思えない、赤ちゃんがかわいいと感じられないと思う時はありませんか?「疲れを感じているのに眠れない」「いつまでも疲れが取れない」と感じる方はいませんか?2週間以上このような症状が続いてる方は「産後うつ病」の可能性があります。心配なのは、本人は一生懸命、頑張って育児をしているために、自分自身の状況に気づいていない場合があります。なので身近な方に是非知っておいてほしい病気です。

もう少し詳しく説明します。「産後うつ病」はマタニティーブルーズとは違います。マタニティーブルーズは出産した女性に多く見られる、涙もろさや、情緒不安定なことです。一時的なもので、治療の必要もなく自然に回復します。「産後うつ病」は、出産後に起こる「こころ」の病気です。出産後2週間くらいで、起こりやすく、産後3~6カ月間くらい続きます。要因としては、女性ホルモンバランスの乱れ、こころとからだの疲れ、支援の少なさ、母親ひとりでする子育て、頑張りすぎてしまう性格など。があります。

 母親自身、気分の変調に気がつかなく、頑張りが足りないと思ったり、周囲の家族は「怠けている」と考えがちです。「産後うつ病」の回復は、周りのサポートがとても大切です。ですので多くの方に是非知っておいてほしい病気なのです。育児がつらい…と言える環境がどれだけ多くのママさんを助けられることでしょう。産後うつ病は気のもちようではなく、病気なのです。ママさんはもっと頑張らないといけない…と追い込んでいるかもしれません。

産後うつ病の背景には母親ひとりでする子育てがあります。さらに、病気の知識やその対処、相談先などの情報を意外と知られていないという現状があります。

 

(2)母子手帳と課題解決の関係性と可能性

親子手帳って名前がステキですね。以前に兄が育休をとっている時に、母子手帳だと父親が記入しにくいなと感じたそうです。積極的に育児に参加をしようとする兄でさえ名前からくる先入観で、記入しにくかった。というのですから、名前は大事ですね。パートナーやおじいさん、おばぁさんも記入できれば、ママさんたちの力になりそうですよね。

 記入していく中で、自分のコンディションに気づいたり、「つらい」「しんどい」といった気持ちを書いても大丈夫と思えるような母子手帳であって欲しいと思います。そして、それを受け止める温かい社会であって欲しいと思います。出産って大変。弱音を吐いてもいいんですよ。

 産後うつ病の豆知識や、チェックリスト、身近な相談先などの情報もあるといいですね。ママさん自身でも、周りの方が接していても、笑顔が減った、様子がいつもと違う、つらそうだ、と感じたら是非専門家にご相談ください。

 

(4)子育ておすすめアイテム

「身近に相談できる場所を知っておくこと」

 育児のことだけでなく、産後の気持ちの落ち込みやイライラなども、保健センター、保健所で相談できます。また、先程も書いたように、産後うつ病の背景には母親ひとりでする子育てがあります。もっと積極的にパートナーが子育てに参加する機会やおじいさん、おばぁさんたちの力を上手にかりて欲しいと思います。

 育児がつらいなと思ったら…少し深呼吸して自分の頑張りを認めてください。あせりは禁物です。育児は思いどおりにはいかないこともあります。赤ちゃんもひとりの人間です。育児書どおりにはいかないものです。頑張り過ぎないことも大切です。まずはからだを休めてください。家事は後回しにすることも大切です。自分の気持ちを聞いてもらうことも大切です。上手に手抜きをこころがけてみてください。家事に優先順位をつけて、上手に手抜きしましょう。ひとりで背負いこまないようにしましょう。短くてもよいので、ひとりの時間を作ってリフレッシュも大切です。

 今回は産後うつ病を少し紹介しました。身近に感じて、産後うつ病かな…と思ったら早めに相談できる環境がある社会にしていきたいですね。

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