母子手帳リレートーク

今後何が起こるかを伝えるための母子手帳を

スリール株式会社代表 堀江 敦子   

「誰もが笑顔で自分らしい人生を生きて、笑顔で子育てできる社会」を目指して活動をしています。

<スリールの事業について>

とにかく子どもが好きで、中学生の時から100名以上のベビーシッターを行なってきました。実際に家庭に入ることで見えてくるキャリアや子育てのリアルを学生時代に学び、今の子育てをサポートする仕組みとして「ワーク&ライフ・インターン」事業を始めました。

このインターンは、「仕事と子育てを学びたい学生」と「子育てをサポートして欲しい家庭」を繋げていくことが特徴です。子育て家庭には「子育て支援」、学生には「キャリア支援」、そしてこれから子どもを産み育てる人が子どもを産みたくなることで「少子化対策」にもなると考えています。

(1) 現場から見えるこどもの現状と課題

現在、乳幼児のお世話をしたことがなく、母になる人は全国に約65%います。事前に乳幼児を見たことがないということで、こどもの育て方が分からないなど、育児不安を感じていきます。

また、育児をしている時に「孤立感」を感じたことがある人は専業主婦で70%以上、仕事と子育てを両立している人でも65%いるということが調査で分かっています。この孤立感は、「育児について分からない孤立」と「ヘルプを出すことができない孤立」があると考えます。

活動を通して多くの子育て中の女性に話を聞く中で、その奥には「預けることへの罪悪感」があると感じました。子どもを預けること・育児について分からないことは「母親失格」だと思う気持ちが、相談をする気持ちを阻んでいるのです。しかし、育児をすること、サポートの手がどこにあるか、実は誰も教えて貰った事は無いのです。では、事前に「育児をすること・その時の生活」について知る機会・考える機会があったらどうでしょうか。スリールでは子育て前の学生がお子さんをお預かりすることで、自分の今後のために「育児を学び」、今の家庭の方をサポートします。

学生に対して「学びの場」を提供していることや、子どもが学生と楽しく接していることが、家庭にとっても罪悪感ではなく「社会貢献」になり、前向きな気持ちで預けることができるのです。そのようにして少し子どもと離れてリフレッシュの時間を作ることにより、ママに余裕ができ、子どもにも優しくなることができます。このことを家庭の方は「3つの投資」と言っています。

  1. 子どもへの投資・・・子どもが多くの価値観に触れ、成長する
  2. 自分への投資・・・自分のブラシュアップの時間ができて、気持ちに余裕ができる
  3. 社会への投資・・・これから社会に出る学生が成長する

このような好循環が生まれていくように、当たり前に育児体験をして親になり、当たり前に多くの人にサポートしてもらえる。このような「安心して子育てできる環境」をつくることが、育児不安の軽減・そして「産みたい」と思う人を増やすために必要だと考えます。

(2)母子手帳と課題解決の関係性と可能性

何よりも人は「将来が漠然」としていることにより、不安になります。今後の自分に何が起こるのかを、多くの人に伝えていくために、「母子手帳」というツールは大変重要なものになると思います。

子どもはどのように成長するのか、その時にはどのような悩みが出てくるのかなどが、母子手帳に書いてあれば、「自分だけではないんだ」「そういうものなんだ」と安心することができます。また、自分の悩みに対して解決ができる地域サポートはどういったものがあるのかを、ただサポート内容を並べるだけではなく、悩み別にチャートのようなものを用いることも重要だと思います。

できれば、母子手帳を受け取る時に、どういった悩みがあるのかヒアリングをするような機会があると、多くの育児不安を抱えて助けを求められない人も救えるのではないかと考えています。

(3)子育ておすすめアイテム

アイテムといっても「物」ではないのですが、「子育て前世代」がとても重要なキーアイテム・キーパーソンだと考えます。

子どもを見てもらうと、何となく「申し訳ない・やってもらっている」感覚になりますが、子育て前の人にとっては、自分の今後のための「事前体験」であり、「学び」です。「ちょっと事前勉強として、うちの子を見てみない?」と言って交流することが、子育て前の人にとっても、自分にとっても楽しい時間になると思います。

またそうして子育てに関心がある人を増やすことによって、本当の意味で社会で子育てが考えられる社会になっていくと思います。

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