母子手帳リレートーク

みんなで子どもを育む、風通しの良いコミュニティー創り

子育て・保育アドバイザー、セラピスト・カウンセラー  吉岡 佑珠

20年間幼稚園に携わり、その傍らで思春期クリニックや親子関係カウンセラーを務めました。その後、保育者の新人研修講師、子育て支援、ジュニアアスリートチームのメンタルケア等をしています。これまで延べ1万組の親子に関わり、乳幼児から青年までの成長を「線」で観てきました。

親子カウンセリングやアート・音楽セラピーでは、心を楽に開放し、親も子も「本来の自分」を取り戻すためのお手伝いをします。

世間では「親が変わらないとね」「親が悪い」などとよく言われますが、私の場合、親の責任は一切問わず、罪悪感や不安を取り除くことから始めます。すると初めに、より早い段階で、子どもの方が変わり、その影響で親も変わる、という現象が起こります。多分、私自身が子どもに近い感覚をもっているからかもしれません。

「ママ友だちの会話や情報に、心が揺れ動いて疲れてしまう」

「外では笑顔でいられても、家では家族にイライラしていつも怒っている」

「イクメンを頑張った結果、仕事も育児もやる気が失せてしまった」

真面目な親ほど「自然体」の子育てではなく「完璧」な子育てを目指すので「理想とほど遠い、不完全な自分」を責めています。正直に自分の心の内側を見つめること、自分を受け止め「許す」ことができれば、もう光は見えています。まずは「自分自身を愛で満たす」こと。

そして「ありのままの自分で大丈夫」と気持ちに余裕が生まれると、徐々に親子関係は改善され、夫婦関係や友達関係、とほかの人間関係も連鎖的にうまくいき始めます。

パパ&ママ&子どもたちへのメッセージ

『Mind Power Magic』 http://air.ap.teacup.com/yuumi/

 

(1)現場から見える子どもの現状と課題

今、家庭で担う子育ての比率はとても大きく、その責任とプレッシャーから、

① 子育てに向き合えない親

② 小さい頃から受験や就職など、子どもの将来を漠然と心配して、過干渉になりがちな親が子どもに与えるマイナスの影響が気になります。

子育てには、親のすべてをかける強い覚悟と、周囲の家族や関わる人たちの理解と支援が必要です。その両方がない状態で、日々生活に追われていると、子どもに心を使うことができなくなってしまいます。そんな状況の中、特にこの二つのケースが増えてきています。

① 子育て(子ども)に向き合えない

もともとそんなに母性が強くないか、あるいは自分も愛情をたっぷり注がれて育てられなかった、という親は、意外と多いのです。お手本も体験もなかったら、我が子にどうやって接し、どうしてあげるのが良いのか、感覚でわからないのは当たり前。しかも今は、価値観や生活状況もまちまちなので、家庭は孤立し、子育て仲間同士も探り合いで本音が出せない、と言います。親の孤独感や自己評価の低さ、不安はそのまま子どもに伝わり、子どもも生活や心が荒れてきます。

② 過干渉

親が常に転ばぬ先の杖を用意すると、子どもは、打たれ弱く、失敗すること、人とぶつかること、挑戦することを避けるようになります。自分で選んだでこぼこ道より、親の敷いたレールの上を歩いた方が楽です。自分が心から楽しいと思えることをしようとしても否定され続けるうちに、親に本心を言うことを諦めた子どもたちが、たくさん私のもとに来ます。

私は、父親が家庭の中で男親としての役目を果たしている家庭が少なくなっなってきたことも、原因の一つではないか、と考えています。3・4年生くらいになると、子どもは自由で多様な友達世界を求め、自立へと向かいます。その時期から男性性の獲得期。父親の役割が断然重要です!ただし、ちょうどこの頃、父親は仕事でも責任の重い立場になり、子どもと生活がすれ違うように。大事な時期に父親不在なので、母親が男親の役を果たそうとするのですが、反発する子どもに口うるさく怒るだけの毎日に、母親も疲れ果ててしまいます。

(2)母子手帳と課題解決の関係性と可能性

そうなる前、子どもが乳幼児の時から、互いに足りない面を補い合える関係創りが必要。昔の地域社会の現代版“みんなで子どもを育む、風通しの良いコミュニティー創り”です。

ただし、いつも同じメンバー、同じような年齢層の親だけではなく、子育てベテランママさんが「大丈夫、大丈夫」と若いママを励ますような場。父親のように頼れる男性が本気で関わってくれる場。子どもに接したことのない学生が子どもに触れる場。そんな開かれたコミュニティーが求められています。子育ての知恵を学び、自分の子も人の子も同じように大切に育てる、親も子も共に生きる楽しさを享受し合える、そんな場所が増えていくことを願います。

子どもにとって、縦の年齢で遊ぶ経験は、宝です。憧れ、思いやり、リーダーシップ・・・異年齢の子どもと関わることで、新しい自分を発見します。そこで、出産したばかりの親が手にする母子手帳に、二つの工夫を提案です。

<男女の脳の発達や性差による育て方のポイント、年齢にそった父親の役割を記載>

・ 子どもの成長には個人差があること

・ 乳児から幼児期までの脳・神経・身体の発達を線で示し、発達の時期には幅をもたせる

・ 男女の違い、男女の脳の発達の仕方と育て方のポイント

・ 乳幼児期と思春期との密接なつながりと、乳幼児期に愛情をかけることの大切さ

・ 父親と母親の役割を記載:乳幼児期は、脳が女性の母性を選んで受けとり、自分を世界に根ざす時期。児童期からは自立へと外に向かう時期なので、父性の役割が重要になること、など

<子育てサポートやコミュニティー情報の分かりやすい表記>

・ それぞれの地域で実施しているコミュニティーやサービスの特徴と窓口の一覧

・ 多様な生活状況や家庭環境、育児の悩み、子どもの抱えている課題に応じた選択を可能に

(3)子育てのおすすめアイテム!


幼ければ幼いほど、肌と肌の触れ合いや愛のある肯定的な言葉かけが大切です。心が愛でいっぱいになるような言葉をたくさん注いであげると、自分や親への信頼、他人を認める素直な心が育ちます。

乳幼児は、様々なものを五感で吸収します。お母さんに絵本を読んでもらうとき、絵本の楽しさと同時に、体が触れ合うぬくもり、耳に響く優しく心地よい声から『愛情』を感じとっています。

寝る前のほんの10分でも、毎日絵本を読んであげているうちに、言葉や字、言葉や文章のもつ意味や抽象的な雰囲気を、絵や声と一緒に覚えてしまいます。気に入った絵本は毎日何度でも、何日でも読んであげましょう。

絵本は優れたアートセラピー。お母さんの心もやさしく癒してくれることでしょう・・・

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