母子手帳リレートーク

母子手帳で、母となった女性の心と体の健康を守る。

NPO法人マドレボニータ 産後セルフケアインストラクター:永田 京子さん

現在、産前・産後女性の心身のケアをサポートする“産後セルフケアインストラクター”として、埼玉でマドレボニータの『産後のボディケア&フィットネス教室』を開催しています。

2010年に第一子を出産。妊娠中からインストラクターをして体をよく動かしていたこともあり、妊娠中はマイナートラブルもなく、お産も安産でした。が、出産した後、2~3時間置きの授乳や気分の高揚で眠れない日々、常に抱っこしていないと泣きやまない赤ちゃん、24時間休みなしの子育てで、元気だった体はあっというまにぐったり。インストラクターとして産後の過酷さは事前に勉強していましたが、想像以上にボロボロになった自分の心と体に愕然としました。赤ちゃんは、カワイイ。でも、自分が元気じゃないと子育てなんて楽しめない!と改めて悟り、赤ちゃんを連れてマドレボニータの『産後のボディケア&フィットネス教室』に駆け込みました。体を動かしたり、人と話したり、子どもをもった自分の人生と向き合っていくことで、心身ともにメキメキ回復していったことをよく覚えています。

※マドレボニータはスペイン語で美しい母と言う意味。「美しい母が増えると世界はもっとよくなる」をモットーに、母となった女性が心身ともに健やかに人生を送れるよう、産前・産後の心を体のヘルスケアのプログラムの研究、開発、普及に取り組んでいます。               マドレボニータHP→http://www.madrebonita.com/

(1)現場から見えてくる子どもの現状と課題

子どもができるということは、お世話をする対象ができるだけでなく、同時に自分がその子にとって一番身近なロールモデルになるということです。
ところが、赤ちゃんが生まれると、「今は子育てで忙しいから、子育てがひと段落してから、自分のことを考えよう!今は子育てに専念!」と、自分のことは後回しになりがちです。が、ほんとうは、母になったからこそ、自分の体をケアをしたり、自分に向き合うことが大切なのです。

日本では、「出産」をきっかけに、色々なことを“あきらめて”しまう女性がたくさんいます。子どもをもった、一人の大人の女性として自分と向き合い、自分が納得する生き方をすることも、子育ての忙しさを言い訳にして過ぎ行く時間に身を任せるのも、結局は自分の選択。しかし忘れてはならないのは、子どもたちはその姿を見て育つ、ということです。

一番身近な大人が“あきらめた”人生を送っていたら、子どもたちは将来にどんな希望を見出せるでしょう。子育ての導入期という一番大切な時期に、自分を見失ってしまわないためにも、母となった女性は、まず、自分自身の体と心を見つめなおすことが大切なのです。

(2)母子手帳と課題解決の関係性と可能性

母子手帳には、妊娠中のことや、子どもの発達についてなどは、詳しく書いてありますが、出産した後の母親の心や体の状態や、過ごし方については、ほとんど書かれておらず、また、誰も教えてくれないのが現状です。

そんな中、すべての妊婦が手にすることのできる母子手帳には、「産後の健康状態をよりよくするための備え」をするためのツールとして、大きな可能性があるはず。母子手帳に、産後は体がしばらく本調子ではないこと、精神的にも不安定なこと、そのため徹底的に休養が必要なこと。産褥期(産後約1か月間)は母体の回復が最優先で、静養できるための環境を妊娠中から整えておくこと。そのためには家族や友人からのサポートが絶対に必要であること。産後には、ムリなダイエットではなく、子育てできる体にバージョンアップさせるためのリハビリが必要なことなどが書かれていれば、妊娠中からも産後に備えて準備ができるのではないだろうか、と希望を抱いています。

(3)子育ておすすめアイテム

究極のアイテムは自分自身の健康なカラダ!素晴らしい子育ておすすめアイテムがあったとしても、24時間赤ちゃんのお世話をして、家にこもりきりで人と話す機会も少なく、腰痛や肩こりなど体の不調に悩まされ・・という産後の現実の中では、気合で前向きに生きる!・・なんて到底無理。なので、まずは、どうかカラダのリハビリをなによりも最優先させてほしい。そして、その上での、子育ておススメアイテムをご紹介します。

●タイマーと、紙と、カラーペン
これらが子育てグッズ?と驚かれたかもしれませんね。すこしご説明させてください。小さい子のいる家庭では、「なかなか自分の時間がとれない!」というのが共通の悩み。自分が使える時間は本当に少しだけれど、だからこそ、その時間を有効に使い、自分の集中力を鍛えるチャンスと捉えることもできる。そんなときに、このタイマーが活躍します。私たちは、時間を短く区切られると、すごい集中力を発揮できるのです。

また、子どもが生まれて環境が激変した今、人生、仕事、夫婦のパートナーシップなど、「母として」だけでなく、「人」としても、いろいろな悩みや、もやもやを抱えるのが産後の特徴でもあります。そんなとき、自分はどうしたいのか、どうありたいのか、ということを、カラーペンを使って、紙に書き出していきます。頭の中だけでもやもや考えていると、すごく頭を使っているようで、そうでもないんです(笑)。こうして紙に書き出すと、自分自身の頭の中を整理でき、スッキリしてきます。

子育て中はパートナーとの会話も子どもの話が中心になりがちですが、例えばこの紙を使って、大人の話をする時間をもつこともオススメです。ママトークだけでなく、大人の会話をもつということは、精神の健康にとっても本当に大事なことなんですよ。

 

 

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