母子手帳リレートーク

心の余裕を生み、全ての親子に寄り添える母子手帳を

ベビーマッサージ ママぞう。主催 みつい まみこさん

「ベビーマッサージ」と「月経力」を伝えています。このふたつの共通点は「昔は当たり前に行われていた習慣」だったこと、そして「ここから自己肯定感が育まれる」こと。どちらも「受け容れる」ことで、自分を愛せるようになっていきます。

                                       

「ベビーマッサージ」はつまり、親が子をさわる習慣です。子どもは親の手という、愛そのものを「受け容れて」育ちます。子どもの頃にたくさんふれあった記憶は、大人になって覚えていないように感じても、きちんと本能が覚えています。受験・就職・恋愛、幾多の試練に出会っても、最後の砦となる「でも大丈夫」という根拠のない自信には、ちゃんと根拠があるのです。幼い頃にふれあった記憶は、頭が忘れても肌は決して忘れません。自分が愛されて育ったことを肌は知っているのです。

また「月経力」は子どもの有無に関係なく「命を産み、育む子宮(と卵巣)」を慈しむ力です。子宮は、言うまでもなく自分の中にあります。自分の一部です。毎月の営みを「来なければいい」と否定し続けて生きるのでなく、「ようこそ」と楽しみに迎えてあげることで、自分自身を「受け容れ」認めることができます。

(1)現場から見える子どもの現状と課題

ベビーマッサージは本来、親が子をさわるという当たり前の習慣で、やり方など教わらなくても、自然と家庭の中で受け継がれてきました。でも、「抱き癖がつく」「自立心を育てよう」など、育児法や生活スタイルが多様になる中、ふれあう文化は、だんだん当たり前ではなくなってきました。やり方を教わらないと、子どもにさわらない親が増えているのです。

「もっと小さいときに、たくさんさわりたかった」

「上の子にはさわってあげられなかったから、下の子にはさわってあげたくて」

そんなお母さんが、ベビーマッサージ教室にはたくさん来ます。そこでお伝えするのは、

「やり方なんていらないよ。さわりたかったら、さわればいい」

「上のお子さんにさわれなかったのは過去ではないよ。今からでもさわってね。

ベビーマッサージは0歳だけのものではありません。やり方がわからないとできないものでもありません。親が、愛を以て、自分の子にふれる。それがベビーマッサージなのです。

 やり方がわからなくてさわれないのなら、いくらでもやり方をお伝えしましょう。わからないからさわれないなんて、もったいない。確かに、やり方はあります。こうするとリラックスできる。ここの筋肉の発達を促す。そんな知識や技術はたくさんあります。知りたければ聞いてください。そのためにわたしがいます。

でも「知らないからさわれない」は、本当にもったいないのです。もっと当たり前にふれあって、当たり前に愛し合う。手法や心身への効果は、その先にあります。まずはふれあうこと。それが愛された記憶として肌に残り、自己肯定感を育てます。

(2)母子手帳と課題解決の関係性と可能性

とは言え、ベビーマッサージ教室に来る方のことは、あまり心配していません。だって、ベビーマッサージ教室に来る時点で「さわろう」という意思がありますから。その気持ちがあれば大丈夫です。前述の通り、お教室で学ぶことなど、その次の段階でしかありません。まずは「さわろう」という気持ちがあって、お教室に出向く元気もある。それで万事オッケーです。

わたしが母子手帳に期待するのは、ベビーマッサージ教室に来ない段階の方へのアプローチです。育児に悩み、ひとりで抱えているお母さんがまだまだたくさんいらっしゃいます。悩みは育児に限らないかも知れませんが、その内容はここでは問題ではありません。大切なのは、お母さん自身が生きる気力を持っているか、自分を愛して暮らしているか、まわりの社会と接しているか。その人自身の状況です。

わたし自身、生きるだけで精一杯だった時期があります。仕事と家事だけで毎日は過ぎ、インターネットで情報を得る時間も、子育てサークルに参加する余裕もなく、ベビーマッサージというものがあることさえ知りませんでした。

あの頃のわたしに、どうすれば伝えることができたでしょう。ベビーマッサージでなくとも構いません。どうすれば心の余裕を生む手伝いができたでしょう。そこに母子手帳の可能性があると思うのです。

生活スタイルや精神状態に関係なく、全てのお母さんに届く声があります。それが行政や自治体の力であり、母子手帳の持つ可能性ではないでしょうか。子育てサークルやベビーマッサージには行かなくても、定期健診や予防接種には行くでしょう。それさえ行けず家にこもってしまう人にさえ、母子手帳なら目に留まるかも知れません。現段階のベビーマッサージ教室では届かない層の人々を、母子手帳なら救うことができます。

ただの記録手帳に留まらず、もう一歩踏み込んで、全ての親子に寄り添えるような、そんな母子手帳の在り方を切に望みます。

 

(3)子育てのおすすめアイテム!

それは、「手」です。

「手」はどんな物にも姿を変えます。

あるときは手遊びのおもちゃ、あるときは寝かしつけ。

叱るときには叩くかも知れないし、転んだときには助けにもなります。

その「手」を意識してみてください。

背中のベビーマッサージひとつとっても、

「脊椎の発達に効くから撫で下ろしてね」とアドバイスされた(からだに焦点を合わせた)手と、

「背中は心につながっているから、がんばっているときには撫でて解放してあげてね」

とアドバイスされた(心に焦点を合わせた)手では、同じ動きでも自分の手に感じるものが違うので、皆さん驚かれます。

物に頼るのでなく、手を使う。そして、同じ手を使うときでも、ちょっと手に意識を向けてみる。

それだけで育児がちょっと変わるはずです。

何にも買わなくていいのだから、簡単でしょう?(笑)

 

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