母子手帳リレートーク

仕事と子育ての両立は当たり前の中国。日本はまだ厳しい…

中国湖南省で生まれ育ち、グラフィックデザインを学ぶため、8年前に来日したブンさん。夫とは大学院で出会い、そのまま日本で出産。2歳の双子の男の子を育てながら、グラフィックデザイナーとして仕事を続けています。
母子手帳をもらった場所:2008年 戸田市

働く女性にして双子の母、中国生まれのブンさん。仕事を続けるため、子育てをしやすい会社に転職。日本と中国の子育ての違い、日本での子育てについてお話を伺いました。

日本と中国、生み育てる文化の違いと母子手帳について5つの質問。

(1)日本と中国、何か出産の違いはありますか?

中国では帝王切開が多いです。妊婦は「たくさん食べて動かない」方が良いとされているんですよ。たくさん食べるから胎児が大きくなってしまうし、動かないから筋肉も弱くなる。そうすると自然分娩が難しくなるんです。日本は逆に運動や食事のコントロールが厳しいですよね。それと、中国では無痛分娩が多いです。日本では痛みを感じて産むからこそ、我が子が可愛いという考え方があるし、安全を考えて自然に産むという人が多いですよね。この二つが大きな違いだと思います。

(2)育児についても両国で違いはありましたか?

だいぶ違いますよ。まず中国は一人っ子政策なので、家族は一人の子どもをとても大事にします。両親と双方のおじいちゃんおばあちゃんの6人が一人に愛情を注ぐんです。中国ではお母さんが普通に働くので、100%面倒を見ることができない。だから、おじいちゃんおばあちゃんが面倒を見るんですね。そうすると深い愛情が注がれるけど、逆に可愛がり過ぎて躾ができないという面があります。親世代と祖父母世代では教育に関する考え方が違うこともあるけれど、中国では親に逆らえないという文化もあるし、結局はお父さんお母さんが負けるんですよね(笑)。

逆に日本はお母さん1人で子育てすることが多いから、子ども一人に対する愛情が薄くなってしまう。そう考えると、中国の子育てには良い面があると思います。私の場合は、子どもが1歳になるまでは私の両親が日本へ来て、面倒を見てくれました。今は、何かあったときには旦那の両親が手伝いに来てくれています。

(3)日本での子育て。日本人の夫と意見がぶつかることはありませんか?

育て方の違いについては、それほど問題はありませんね。というのも、私は中国人っぽくなくて、旦那も日本人っぽくないんです(笑)。

例えば、私の両親は子どもが転んだら、飛んで行って心配します。それに対して私は甘やかしたりせず、転んだら「どうして転んだのか?」を考えさせています。男の子だから自然に元気に育ってくれればいいし、痛みの記憶も大事だと思うんです。そういうところは中国人っぽくないですね。旦那も早く帰ってきて子どもの面倒を見てくれるので、日本人っぽくない(笑)。夫婦でコミュニケーションもしているし、子育ては上手くいっていると思います。

(4)仕事を続けていく上で、困ったことはありますか?

中国では「空の半分は女性のモノ」という言葉があるんです。すべての権利の半分は女性にあるという考え方があって、管理職も女性が半分くらいいます。だから、出産しても仕事を続けることに抵抗はありません。私の母親もキャリアウーマンとしてバリバリ働いていました。

私が前に勤めていた会社では、子どもがいても先に帰りにくいし、子どもが熱を出しても休みづらかったんです。このままでは子育てが上手くいかないと思って、会社を辞めました。新しい会社を探すときは「子どもが二人いて病気が多いから早退することもある」「残業はなし」「通勤は30分以内」など、お給料や仕事の内容も含めて、いろいろな条件を提示しました。子育てをする私には必要な条件だったので、それでもよければ雇ってくださいと。その結果、理解してくれる会社3社から内定をもらいました。

日本は先進国で様々な技術を発展させているのに、子育て支援だけは遅れていると思いますね。中国の会社は子育てに理解があって、保育所を併設していたり職場に子どもを連れていけたりと、サポート体制が整っています。中国はみんなで子どもを育てる風潮があるからこそ、母親が働きやすい環境にあるんだなと感じました。今後は日本でも働きながら子育てする人が増えると思うので、両立を支援する会社は増えて行くと思いますが。

(5)日本の母親学級や母子手帳については、どうですか?

多胎ママ学級もありましたが、正直それほど役に立ちませんでした。唯一役に立ったのは、生まれたばかりの子の人形を抱っこでき、重さを体験できたこと。多胎のママ友がほしいと思っていたので、ほかのママとコミュニケーションできたらいいなと思っていたけれど、そういう雰囲気ではなくて、みんなすぐに帰ってしまったのが残念でしたね。単体妊娠とはやはり違うので、多胎の先輩ママの話も聞きたかったです。

中国には母子手帳がありません。でも、大きな病院だと病気の履歴をインターネットで見ることができるんです。印刷して他の病院にも持っていけるので便利ですね。ただ、病気の記録だけなので、中国にも日本の母子手帳の様なものができるといいですね。


母子手帳をもらったときは嬉しかったです。紙なので後に残るし、「書いた思い出」ができるのはとてもいいですね。パソコンで打つより、手を動かして書いたものの方があたたかいですから。ただ、もう少し記録しやすくしてほしいです。特に私の子どもは未熟児で身体が弱かったので、もらった薬や病状を記録する必要がありました。大きな病菌お記録や薬、体温も記録できるといいですね。そのほかにも、体重と身長の移り変わりや、予防接種のスケジュールを一覧表にして記入していました。

母子手帳に加え、インターネットで定期的にデータを書き込めて、後から自動でグラフに表示してくれるものがあれば理想的ですね。そうすれば、18歳くらいまで書けると思います。文字だけでなく病状の写真もアップできるといいですね。湿疹一つでも、いろいろな症状があるんです。病状は人それぞれなので共有できるといいですね。

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