母子手帳リレートーク

もっと父親が育児に参加したくなるような仕掛けをつくりたい

博覧会などのイベント運営で各地を飛び回っているタクさん
自治体や国の博覧会などの市民参加型イベントのプランニングと運営をしています。36歳のときに第一子が誕生。現在、4か月の女の子がいます。妻は妊娠を機に退職。
母子手帳をもらった年と場所:2010年 横浜市
 

男性では珍しく、育児休暇を2カ月取得したタクさん。もともと人の成長に興味があって、迷わず育児休暇を取得したそうです。こんな面白い機会を逃しているお父さんがいるのはもったいない!と話すタクさんに、母子手帳そして男性が育児に関わることについてお話を伺いました。

横浜市は2分冊。白い方は妊娠中の検診チケット。母子健康手帳は妊娠の経過、定期健診の記録。

母子手帳と育児に関する5つの質問

(1)育児休暇を取得した時の状況を教えて下さい

出産前後がちょうど仕事の谷間でタイミングよく、2か月育児休暇を取ることができたんです。休み中、打ち合わせが入ったときは家の近くに来てもらって、できるだけ家から離れないようにしていました。今は子どもをお風呂に入れる時間も殆どなくて、育児休暇を取ったと言うのも恥ずかしいくらい(笑)。それでも時間の融通はきく仕事なので、日程を調整して、子どもの定期検診に同行するようにしています。

実際に子育てしてみて、おっぱいがないのがつまらない!と思いましたね(笑)。生まれたばかりの頃は人間という前に「生き物」だから、食べることがすべて。母親じゃないと関わりの本質に近づけないという気がしていました。

仕事柄、コミュニケーションや人の成長に興味があったんです。親とコミュニケーションしていく過程とか、育児を通じて人の成長の根源を学びたかった。子どもが日々、ものすごい勢いで成長して行く姿を見るだけでも本当に面白い。大人になってからも成長するけど、それが凝縮されている時期だと思うんです。

(2)どうしたら男性も育児休暇をとる(とれる)社会になるんでしょうか?

会社の研修制度に「育児研修」というのを取り入れたらどうでしょう?
個人の能力という観点から言うと、対人スキルが上がるはずなんですよね。通常の研修では、状況を設定したシミュレーションのようなことをしますが、子どもとのガチンコ勝負から得られるものの方が圧倒的に多いと思いますよ。辛抱のトレーニングだよね(笑)。働くお母さんはそれを乗り越えて、さも当たり前のように職場に戻るけど、得ているものは本当に大きいと思います。育児も海外留学と同じように考えれば、仕事を一定期間休むことはできるはずだよね。


男性でも育児休暇を検討する人は少なくないと思うけど、100人中99人は無理だって思っちゃう。でも、妊娠がわかってから半年は猶予期間がある。その間に、男性側の育児休暇への意識が変わるような仕掛けが必要かもしれませんね。

(3)父親の立場から、母子手帳にはどのように接していましたか?

うちの奥さんは妊娠中に貧血の症状が出ていたので、私も一緒にその数値を母子手帳で頻繁に確認していました。母子手帳は「母」の健康を記録するものという印象が強いですね。子育ては両親のものだけど、出産は「母」の役割が大きいので、母子手帳でいいと思うんだよね。父親が介在しない方がいいと思います。なくしたら大変ですよ!怒られます(笑)


あとは、母子手帳は自分で書くと言うより、人に書いてもらうものという感じがします。妊娠中、妻は自分の体の変化は普通の大学ノートに記録していました。

(4)母子手帳は紙がいいと思いますか?電子版がいいと思いますか?

ICカードで全部管理できるので、紙の手帳はなくてもいいかもしれませんね。
医療関係は電子化するのが難しいとは思うけど、少なくとも検診チケットが紙である必要はないよね。
うちでは、検診や予防接種の日を夫婦でGoogleカレンダーで共有していますよ。仕事で使っているツールを育児のプロセスにも使うと便利だと思います。予防接種のサイクルも複雑なんですよ。それを管理して予約まで成立されてくれる電子ツールがあるといいですよね。

(5)父子手帳のようなものは必要だと思いますか?

母子手帳の冒頭に呼び掛けのページがあって「赤ちゃん、お母さん、お父さん、お元気ですか?」って書いてあるんだけど、あまりに淡々とした構成で、とてもお父さんに呼び掛けているように感じられない(笑)
父親向けの冊子ももらったけど、育児休暇を取ったり、父親が育児に全面的に関わることが前提になっていないんですよ。親子学級でも、父親向けにはお風呂の入れ方を教えるだけ。それじゃあ、お父さんの意識も変わらないし、父親として必要とされていることに気づかない。行政として、そういうことをリアルに感じられるプログラムを提供した方がいいと思いましたね。
母子手帳にも、お父さん向けのプログラムと連動するような、お父さんパートがあったらいいかもしれませんね。

 

後輩パパにメッセージをお願いします!

人生に1回か2回しかないわけだから、育児を「負荷」ではなく「面白い出来事」として捉えて体験してほしいですね。子育てしながら働き続けている女性は大変だと思います。実際に自分が子育てに関わってみて、見方が変わりました。鉄人ですよね(笑)。そういう意味でも、男性をいかに子育ての現場に引き込むかっていうのが大事だと思います。

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