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のどかな風景と首都隣接の賑わいを併せ持つまち、松戸市

◯まちのデータ
千葉県松戸市
面積:61.33km²
人口:476,896人(男性 239,678 女性 237,218)
15歳未満の年少者比率:13.03%(62,132人)
65歳以上の高齢者比率:21.26%(101,395人)
2012年3月31日現在(住民基本台帳)
出生数:4,121人 出生率:1.33(2010年千葉県衛生統計年報)

千葉県の北西部、江戸川を挟んで東京都と隣接する松戸市。縄文時代の遺跡や古墳が残り、古くから人が居住していた地域です。松戸駅から都心へは常磐線(千代田線直通乗入れ)で1本とあって、ベッドタウンとして48万人もの市民が暮らしています。中心から離れると緑が多く、二十世紀梨の発祥の地、矢切ねぎの生産地としても有名です。「矢切の渡し」という小舟で江戸川を渡ると、そこは寅さんの故郷柴又。のどかな風景と首都隣接の賑わいを併せ持つ街です。

そんな松戸市でいつもお母さんと向き合っている、お二人の保健師に松戸市の母子保健についてお話を伺いました。

松戸市役所

生まれも育ちも松戸という人は少ない

市民が考える松戸市の強みは「首都東京に近く、利便性が高い」「緑と水が多く、のんびりでき、癒される空間が多い」こと。一方で、東京と同様、松戸市で生まれて育った人は少なく、出入りも多いそうです。現在の出生状況について伺いました。

出生数は年度で増減がありまして、平均4,200~4,600人位で動いています。大型マンションの建ったときは出生というか0歳児は増えますね。原因はわからないのですが、23年度は母子健康手帳の発行が4200件くらいでした。子どもが減って小中学校を統廃合した地域がある一方、大型マンションの建設で子どもが極端に増えている地域もあります。核家族が圧倒的に多いですね。

新しく開発された地域は妊娠届けを見ても、圧倒的に第一子が多いそうです。マンション開発で一気に増える地域、もう増えない地域、高齢化が進む地域と、年齢構成は市内でもバラツキがあります。

母子健康手帳を渡すときに保健師が面談しています

松戸市では、母子健康手帳を渡すときに保健師が面談しているそうです。どんなメリットがあるのでしょうか。

母子健康手帳を渡すときに面談すれば、事務的に渡すだけではわからない妊婦さんの心配事を伺うことができたり、悩み事に保健師が気づいたりすることもあります。そうすることで、妊娠の早い時期から相談や支援に入ることができます。

さらに、平成20年度からは、国の「こんにちは赤ちゃん事業」で生後4か月までの乳児家庭全戸訪問が始まりました。訪問時にお母さんの精神状態について確認をしていますが、状況によりお母さんの状態が安定するまで訪問します。必要があれば医療機関の受診をお勧めする場合もあります。

結果的には、産後うつであることは少なく、殆どは時が解決してくれるとか。服薬する必要のあるケースは少ないそうです。産後うつでは「誰に相談してよいかわからない」という声を聞きます。気にかけて訪問してくださる保健師さんがいることは、お母さんにとって大きな支えになります。それが病気を食い止めることに繋がっているのでしょう。

また、松戸市では、子育ての悩みを持つお母さんのために、3日間の講座を開催しています。子育てについての講義を聴いたり、語り合ったり。泣きながら、気持ちを吐き出すお母さんもいるそうです。定員が20名ほどで通年開催ではないので、タイミングが合わないと参加できないお母さんもいます。今後は、内容や回数等について検討し、よりよい講座を企画したいと考えています。

松戸市保健所

お母さんたちが交流&相談できる場をたくさん作っています

「ママパパ学級」は1コース3日間で、3会場で合計34回実施されています。グループワークを入れて、近所に住むお母さんたちが交流できるように工夫しています。また、「ママパパ学級」とは別に、「おやこDE広場」や子育て支援センターで交流する場を作っています。「おやこDE広場」は15ヶ所。お母さんたちが気軽に集まれる場所として、多くのお母さんに利用されています。「ママパパ学級」は予定日の近い妊婦さん同士、「おやこDE広場」は子どもの月齢の異なるお母さんと知り合うことができます。

「おやこDE広場」がここ4〜5年でぐっと増えましたね。交流を求める人が近くの地域で参加できるので、ご近所の方と知り合える機会になります。毎日のようにイベントを開催しているところもあるので、行きたいと思ったら何度も行けるというのがいいですね。

「おやこDE広場」は子育て支援課の管轄ですが、母子保健を担当する保健福祉課と連携しながらお母さんをサポートしています。そのほか、市内には「市民健康相談室」が9ヶ所あります。母子健康手帳の交付や計測育児相談もできるので、集団が苦手なお母さんが頻繁に相談に来ることもあるそうです。電話相談も充実しています。どのような相談が多いのでしょうか。

子どもが便秘気味でということから、複雑な家族関係のことまで、内容はさまざまです。電話相談はとても多いですね。最近では、メールでの相談も増えてきました。でも、文書だけだとこちら側の思いがうまく伝わらないこともありますので回答にも気を遣います。電話してくれたら状況をつかめるのにと思うことはありますね。

いろいろな受け皿が用意されているのは、相談する側としても安心です。保健師さんは「どんなに小さなことでも相談しても大丈夫」と力強くおっしゃってくださいました。子育て支援センターで行っている電話相談では、キッズテレフォンなど、気軽に相談しやすい名称が付けられています。

インターネットでも情報が溢れていて、何を信じてよいかわからないことがあります。核家族化が進んで、近くに聞ける人がいないお母さんが殆どです。そんなときに、「それで大丈夫」と言ってもらえるだけで、本当に安心できることでしょう。最近では、高校生の子どもを持つお母さんからの相談もあるそうです。

誰かが話を聞くだけでお母さんの不安は和らぐ

1歳6か月児とと3歳児の集団健診では、お母さんの子育てに対する気持ちを伺う質問が盛り込まれています。「子育てが辛い」「相談できる人がいない」という項目に「はい」と答える人も少なくないそうです。

今はイクメンがもてはやされているので、子育てに協力しない夫だと「うちはどうして」という気持ちになって、ストレスが子どもに向いてしまうこともありますね。イクメンが増えることが全員にとっていいことかと言われると、そのギャップに悩んでいる人が増えたのは確実かと。子育てが辛いのは一緒なんですけど、お父さんが話を聞いてくれるかどうかで、お母さんの不安の大きさが変わるのは実感しますね。手伝う手伝わないよりも、話を受け止めてくれるかどうかが、一番お母さんの精神状態に影響を与える気がします。

ママパパ学級やイクメン講座に来るお父さんはいい人ばかり。イクメンが騒がれるほど、やる人とやらない人の差が開いているようです。となると、小さい頃から男の子にも教育が必要ですね。

松戸市では、去年から子育て支援課で「高校生と赤ちゃんのふれあい体験」を始めました。お母さんと赤ちゃんが高校に出向いて高校生の輪に入り、グループでお話したり赤ちゃんをだっこしたりする機会を作りました。交流することで、将来の子育てとか命の大事さとかに繋がりますよね。

母子健康手帳について思うこと

母子健康手帳は自治体が選定して発行する仕組みです。松戸市では、紙質までこだわり、お母さんが読みやすくて書きやすいという視点で選定しているそうです。今年は10年に一度の大幅な改定があり、予防接種欄もわかりやすくなりました。

松戸市母子手帳

小児科医の意見が反映されたものだと思うのですが、予防接種は任意のものも含めてとても見やすくなりましたね。あとは、成長曲線を18歳までつけられるようになりました。松戸市は転出転入が多いので、独自の情報は別紙を作成し、母子健康手帳には夜間救急と健康相談場所を入れるだけにしています。

転出入が多い松戸市だからこそ、引っ越してきたばかりで不安なお母さんがいつでも頼れる場所があります。きっとあなたの街にも、あなたをサポートしてくれる場所があるはずです。一人で悩まず、探してみてください。